「楓…もしかしてそれを確かめるためにわざわざ帰省したのか?」


亮平さんの厳しい声に
ごめんなさい、と言いそうになるが
手をぎゅっと握りしめ覚悟を決めた


『本当のことを教えて。お姉ちゃんのお腹の子の父親は誰?亮平さんは知っているんでしょ?』


そう言い放った私は
亮平さんから目を逸らさなかった
逸らしたら
多分、もう強くいられないから


亮平さんは
私が煎れたお茶を一口飲み
私の方を見た


「本当のことか…」


そういうと
亮平さんはあの日の事を話しだした



「この前も話したけど、あのbarには月に数回行っていた。でも詩織に会ったのは偶然で、まさか会うとは思わなかった。楓が聞いた通り…二人で話し込んで二人で店を出た」