テーブルを挟んで
私の向かいに座る亮平さん
いつもと変わらない光景
お揃いの湯飲み茶わんに
私が煎れたお茶
なのに…怖い
「改まって、どうしたんだよ?」
いつもと変わらない亮平さん
この瞬間まで
私は迷っていた
『うん…。…里奈と、ご飯に行ったんだ』
「そうだと思ってたよ。電話しようかと思ったんだけど、多分楽しんでるだろうってしなかったんだ。元気にやってたか?」
懐かしそうに
元部下のことを話す亮平さん
『うん、元気にしてたよ。それで、ね…亮平さんが言ってた、お姉ちゃんを見たってお店に、行ってきたんだ』
そう言った一瞬
亮平さんの動きが止まった
「…よく、場所がわかったな。言ってくれたら教えたのに」
そう言った亮平さんの顔は笑えていない