オーナーさんは
二人で話し込んでいた様子だったため
少し距離を置いていた
1時間ほど経った頃
姉の酔いも覚めていた様子
亮平さんは姉達の分の支払いもし
二人で店を出て行ったという
「横峰様が誰かと店を出るというのは非常に珍しいことでしたが、古い仲なのかと思います」
古い仲という言葉にひっかかる
亮平さんが私に教えてくれた過去は
そこまで古くはなく
親しい仲ではないと言っていた
もしかして、それも嘘?
何が本当で何が嘘で
誰を信じていいのかわからなくなってきた
信じたい人の話は
次から次へと聞く話で
濁ってしまっていた
これ以上は聞く話はないと思い
私と里奈はお店を後にした

