その男性は
このお店のオーナーさんだった
いつも一人で店を開けているが
たまにお手伝いで
姪っ子のバーテンダーさんに
来てもらっているという

亮平さんは
週2回は必ず店に顔を出していて
常連さんの域だった


「横峰様はいつもお一人でご来店いただいておりました。いつもカウンターでお飲みになり、なにかをお考えになられながら、たまに私と談笑をしながら1、2時間でお帰りになられました」


誰かを連れてきたり
お店のお客さんと仲良くなったり話したりなど
無かったという


「ですから、あの日のことはよく覚えてます」



あの日、と言うのは
亮平さんがこの店で
お姉ちゃんと彼氏らしき人に会った日だ