何か知りませんか?と
里奈は聞いていたが
薄っぺらい情報だから
やはり難しいようだ


その時、ギギィとドアが開く音がした
中に入ってきたのは50代ぐらいの男性
紙袋を片手にカウンターの中へと入って行く


「いらっしゃい。今日は素敵なお客様がご来店していたとは、勿体無いことをしてしまったな」


和かに笑う男性
多分、お店の人なんだろう
女性スタッフが今の私たちの話を
男性に聞いてくれたが
なかなかいい情報がない


「うちの店で見たって人はよく来るのかい?」


『今は引っ越してしまって来ていないんですが、こっちにいたときは来ていたと思います、名前は横峰亮平て言うんですが…』


亮平さんの名前を出すと
男性はあっ、という顔をした