ビルが並ぶ中の一つ
少し錆びれた外階段がある
そこを登ると2階にあるお店
それが亮平さんの行きつけだったbar
行灯も小さく控えめで
普通に通っていたら見落としてしまうだろう
ドアを開けるとギギィ、と音がなる
壊れない?と思うほど古い
「いらっしゃいませ」
錆びれた外観には似つかわしくない
綺麗な声が聞こえてくる
カウンターには
綺麗な女性がグラスを磨いていた
「どうぞお好きな席へ」
そう言われたが
どこに座っていいか分からない
どうしようか、と足を止めていたら
里奈がカウンター、
しかもグラスを磨いている
女性の真ん前に座った
「楓先輩、何飲みますか?」
『あ、うん…』
落ち着け、と言い聞かせながら
席へ座った