ほら、またお姉ちゃんだ


『夜は出かけるからいらないってさっき言ったでしょ?それに私、タンシチュー嫌いだから』



そう言って2階の部屋へ行く
こんな嫌な思いをするなら
ホテルに泊まればよかった
でも、もし
亮平さんが実家に連絡して
私が帰ってきていないと聞いたら大変


部屋に戻る途中
姉の部屋のドアが開いているのに気がつく
部屋の中を見てみると
テーブルの上に行くつかのアルバムと
床には母のカーディガンが置いてあった

母は誰もいない時間
姉の部屋で姉との思い出に浸っているんだろう
健ちゃんの時も達彦の時も
母は姉の味方だった

何かの間違いよ、
詩織がそんな事するはずない、と
最後まで庇っていたし
最終的に私が悪いような言い方までしていた