「亮平くんと何かあったのか?」



帰省した日の夕方
帰宅した父が神妙な顔つきで
私に言ってきた


『違うわよ。会社の子と会おうって話になっただけよ。それに最近、亮平さんは忙しいから行ってきていいよって言ってくれたから、甘えさせてもらったの。何もないわ』


それならいいが、
うまくいっているのか?と
相変わらず心配性な父に安心した



「さ、ご飯にしましょう。今日は詩織が好きなタンシチューよ」



母のご機嫌な声にうんざりする
帰省した私に
母は姉に線香をあげろ、や
姉へのお土産はないのか、と
もうこの世にいない人を優先に言う

私の話や亮平さんとの生活の事なんか
一切聞いてこない
聞いてこないなら話さないまでだ