失恋の傷には媚薬を



疲れがたまっていたのだろう
亮平さんが目を覚ましたのは
日が落ちようとしていた5時過ぎ
一度も目を覚ますことなく
ぐっすり熟睡していた

ソファで眠っていたせいで
起きて暫くは
「身体がいてぇ」と言っていた


シャワーを浴び
髭も綺麗に剃られていてサッパリ
ダイニングテーブルの椅子に座っている
亮平さんへ冷えたビールを渡そうとした時


「昨日はごめん。帰ってくるのが遅れた。それに…怪我はしてない?本当に申し訳ない」


そう言って頭を下げてくる亮平さんに
やめてよ、と笑って流そうとしたが
亮平さんの目は本気だ


『…怪我はしてないから大丈夫。私こそごめんなさい、亮平さんが忙しいのにサポートできてなかった』

ごめんなさい、と
私も頭を下げた