「明日の夜、話し合おう」




そう言って出て行った亮平さん
車の鍵は置いて行った
タクシーを拾うから心配するな、と
いつもの優しい口調だった



そして、
「カッとなってごめん」と言い残して



仕事のトラブル時に
カッとなり
足止めをしてしまった事に後悔してしまう
重たい女だと思われたかもしれない



話し合おう、て言ってたけど
何を話し合うのかわからない


もしかしたら
姉との事を言ってくるのだろうか
そう考えたら、また不安に襲われる



「ごめん」



数年前に婚約者だった達彦に言われた言葉が
頭によぎってしまう

時計の針は夜の10時を過ぎている
トラブルで出て行ってから
もう少しで24時間が経とうとしていた