「それにしても、忙しそうですね」



里奈の目線は亮平さんのデスク
朝、席に座ったかと思えば
資料片手に出て行き
昼も夕方も戻らない
それがずっとだ

帰宅する時間も遅い
引き継ぎもあるから
やることが山ほどだ



『そうね…』


聞いた話だと
昼ごはんは食べられているようだから
そこは一安心…なんだけど
やはり心配


一緒に暮らしてすぐにわかったが
亮平さんの帰宅は遅い
早い帰宅でも9時は回る
そして必ず次の日は日付が変わる頃に帰宅

多分、私のために
早く帰ってきてくれているのだ
疲れた顔一つせず
私に笑顔を常に見せてくれている

だから私も
亮平さんとの時間を大事にしようと決めていた