遅い朝食を済ませた後
亮平さんが車を出してくれて
荷物を取りに行くことに決めた
助手席に乗っている際に
不動産屋に退室の連絡を入れた
必要なものだけを持って行こう
鍵を出そうと鞄を開けると
タイミングよくスマホが鳴っていた
誰?と画面を見てみると
相手は母からだった
珍しい、と思いながらも
この前、父に言ってしまったこともあり
掛けづらくなり母に託したのかもしれない
また父と同じような母の説教は勘弁だと思い
スマホを鞄へと戻した
「出なくていいの?」
『母から。大丈夫よ、いつものことだから』
このままじゃいけないのはわかっている
夜にでも掛け直すことにした

