亮平さんと出会って
色々なことがあって
たくさん助けてもらって…

遠距離する?
そんなこと一ミリも考えなかった



「楓のご両親にも、きちんと挨拶しないとな」



一緒に行くと言うのは
そう言うことになるだろう
でも、姉のことがあり
あの発言をしてから連絡はないし
私からもしていない



「楓…、これは大事なことだから。男としてのケジメなんだ。それに楓のお父さんと飲むって約束してる、破るわけにはいかないんだ」



もう実家に行くことはないと
つい最近思ったばかりなのに
やはり行かないわけにはいかない
私の隣で
私の手を優しく握る亮平さんの手を握り返す



『うん、お父さんも喜ぶよ』



これが最後と
父に連絡することを約束した