お風呂から上がると
着信を知らせる音が鳴っていた
もしかしたら亮平さんかもしれない、と
髪の毛も乾かさずスマホを手に取った
画面を見ると亮平さん、ではなく父だった
なんだ、と残念な気持ちになったが
父からの連絡に
何かあったのかと
急いで画面をタップした
スマホから聞こえて来た父の声は
とても焦っているように聞こえた
どうやら姉が帰宅していないという内容
いい歳なんだから
遅くなるくらいあるだろうと、呆れていたが
どうやら違ったようだ
姉は私が務めている会社をネットで調べていたらしい
何を調べていたかはわからないが
亮平さんの名前が検索履歴に残っていたと言う

