亮平さんと離れ離れになる




考えたことなかったことが
目の前まできている
いきなりのことで動揺してしまった



『いや、行かないでっ』



そう言いながら
私は亮平さんの胸へ飛び込んでいた
亮平さんを困らせてはダメ
わかっているけど
離れたくない気持ちが勝ってしまう


いい大人が
会社が違うだけで
行かないでって…バカじゃないかと思う
でも、違うんだ




『な、なんで…福岡、なの?』




亮平さんが九州へ行ってしまう
飛行機、新幹線で数時間もかかる
今までのように
仕事の帰りに寄れるような距離ではない


亮平さんを困らせたいわけじゃない
でも、でも、
言わずにはいられない