どちらにせよ、
今日は来ないとわかった
涙で濡れていたスウェットは乾いていたが
もう一度、洗うことにした
残りの私物は紙袋へ入れ
亮平さんのために作ったローストビーフは
食べる気が起きず
そのまま冷蔵庫へと入れた
やはり仕事をやめようかと思っていた
婚約はしていないが
社内に知れ渡るだろう
そしてまた、
腫れ物に触るよう接して来る毎日が始まると思うと
正直言って辛い
そう言えば
前に派遣会社に登録したことがあった
そこなら何か仕事があるかもしれない、と
IDコードやパスワードが書かれている
書類を出しスマホで検索し始めた
『あ、これいいな』
検索すると
今と同じような職種や
興味があった接客業など
たくさんの求人があり
気持ちが少し転職へと動き出していた

