仕事終わりに駆けつけてくれた里奈
眠っていて気がつかなかったが
部屋中、いい匂いがしていた



「洗濯機、回しちゃいますね。お腹すいてません?鍋焼きうどんを作りました!寝込んだ時は鍋焼きうどんよ、て母が昔から言ってました」


持参のエプロンをして
私の食事の用意をしてくれる里奈



『…ごめん、ありがとう』



「何言っているんですか?楓先輩にはいつもお世話になってるんです、こんなときくらいしか恩返しができないから、なんでも言ってください」



はい、食べましょう


そう言って二人分の箸とお椀
土鍋をテーブルに置いた



『恩返しって…』


里奈が作ってくれた鍋焼きうどんを食べながら
里奈のさっきの言葉に疑問を持ってしまった