亮平さんが食べたいと言ったビーフシチュー
結局作らず、いや作る気になれず
肉の塊は冷凍庫で眠っている
切ってしまった野菜はポトフにし
日曜日は外にも出ず
3食ポトフで済ませた
何度もスマホを確認したが
亮平さんからの連絡はない
少しばかり期待したが外れてしまった
靄が消えない
余計、靄が濃くなっていく
『すみません、お願いします』
いくつかの部署へ
書類を届けに行った一つ
久しぶりに総務へとやってきた
「お疲れ様です、お預かりします」
仕切られたカウンターに居たのは
玲奈ではなく、他の社員
会わなくてすんだと思ったら
笑い声が聞こえ
自然にそちらへと視線が向いた

