裏切られた気持ちでいっぱいになりながらも
穏便に済ませようとしたが
玲奈は別れることを拒んだ

最終手段として
弁護士を立て訴えると話をした翌日
取締役員と玲奈が頭を下げにきたという



『取締役?』



「ああ、俺もその時初めて知ったんだが、玲奈は取締役員と親戚だったんだ。入社もコネらしい」




里奈の話は当たっていた
さすが里奈だと頷いてしまう

その後、その取締役員が気を利かせたのか
玲奈は営業部ではなく
部長と顔を合わせることがない部へ異動になった



「だから正直、驚いたよ。まさかこっちの支店に異動になってたなんて…。しかも今でも気持ちが変わらないってのが凄いな」