それは突然だったと言う
玲奈が妊娠したと言ってきた
その頃の部長はまだ部長職ではなく課長職
昇進試験や接待やらで忙しい毎日



「男なんて妊娠の構造なんてわからねぇから、そう言われたら責任取るしかないって思ったんだ。玲奈の両親にも俺の両親にも挨拶を済ませ、あとは会社に報告するだけだった。そんな時、たまたま通りかかった通路で玲奈が誰かと話をしているのを見かけたんだ」



“あ〜よかった、妊娠がわかった時はどうしようかと思ったよ。妊娠したって言ったらアイツ、金出すから堕ろせって。中絶なんて怖くて無理。亮平は自分の子だと信じてくれてラッキーだったわ”



玲奈さんは
部長の優しさに漬け込んだのだ