親子もいれば
恋人も多い
他から見たら私たちも
恋人に見えるんだろうか、
部長は私の歩くテンポに合わせてくれ
私に必ずどこへ行くか聞いてくれる
それに
さりげない優しさが伝わってくる
動物園を回り、ランチを済ませ
気がつけば日が暮れ始めていた
『時間ってあっという間』
「そうだな、あれか?それはまだ俺と一緒にいたいってことか?」
『なっ、なっ、何言ってる、のっ』
恥ずかしくて焦っている私
でも、言っていることは当たってる
まだ一緒にいたいと思っている
その証拠に
繋がれた手を離したいと
一度も思わなかった
楓?
どうした、と覗き込む部長に
何かに押されたかのように言っていた