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『んー、子供っぽいしなぁ、これ気合い入りすぎだしなぁ……』

はい、絶賛服を選び中です。
でもなかなかいいの出てこないなぁ……

『あった!!』
花柄のワンピース。可愛い……っ!!
じゃあこのワンピースにこれを合わせて……っ

できたっ!!
そろそろ朝の8時。んー髪の毛結んでおこうかな。

髪の毛は両サイドに小さな三つ編みを作って、ワンピースを着て、小物をつけて、出来てしまった……

携帯も持ったし、手鏡、ハンカチ、財布、絆創膏……これくらいかな……?

ポシェットに入れ忘れた物が無いか確認して、自分の部屋からポシェット片手にリビングへ向かった。

お母さんは今日はお花を作りに行くんだーって朝5時ぐらいに出てったんだよね。

その代わり朝ごはんが用意されていた。

手のひらサイズのパン一つと、あゆが好きなレモンティーが机の上に置いてあった。

『いただきます。』
パクパクと食べ進めているうちにすぐに食べ終わってしまった。
レモンティーも飲んだし、そろそろ行こっかな。

ドキドキして、ワクワクして。ほんと、夢みたい……。

『行ってきます……っ!!』

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ちょっと早く来すぎたかな……?
なんて思ったけど、もう幸君は待ち合わせ場所についていた。

『幸君……っ』
幸「あ、こっちこっち!」
手を振ってこっちアピールしてくれる幸君の元に駆け寄る。

『ご、ごめんね、待ったかな……?』
幸「…っあ……いや、全然、まってない。」

あゆから顔を逸らす幸君。え、か、格好……変だったかな?

『へ、変だった?』
幸「え?!いや、変じゃない…、めっちゃ、可愛いよ。」

『ふぇ……?!あ、あ、ありがと……』

……あゆ以外の人にも言ってるのかな。
そうだよね。好きでもない人にいうってこては、きっと。




チクッ


ちっちゃな嫉妬が、心の中で芽生えた。
幸「……行くか。映画だけどいい?」

『うんっ全然っ!』

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なんと、なんと、あゆが見たかった映画を見せてくれることになりましたっ

ふふ〜♪
幸君は今はジュースとか買ってきてくれてる。

幸君「お待たせ。はいどーぞ。」
『ありがとっ。』
横に座って幸君がジュースを飲んでる。


……ど、ドキドキして……鳴り止まない……っ気づかれないかな……?

きょ、距離も近いし……

幸「あゆ、こっち向いて口開けて。」
『う……んっ美味しぃ……キャラメルポップコーン……!!』

幸「そうそう。美味しいよな。……てか、あんま口開けてとか言われたら警戒しろよな。」

そういうもの……かな?

『幸君悪い人じゃないから大丈夫だよきっと』
幸「ふはっ、信じすぎ。」

だんだんと暗くなり始め、映画が始まった。恋愛ものの映画……。