「今、青山一花さんと付き合ってる。青山インテリアの長女だ。」

「青山インテリアの?」

「今、俺が進めているプロジェクトの協力会社だ。親父も知ってるだろ?」

「勿論だ。」


品の良さそうな男性が蒼大さんのお父様らしい。

私は一度深くお辞儀をし、頭を上げてお父様を見た。


「青山一花です。」

「蒼大の父です。今日はわざわざ……。」

「俺のプロジェクトの一員で、ちょうど打ち合わせに来てたんだ。」


社長であるお父様の言葉を遮り、蒼大さんが口を開いた。

お父様が席を立ち上がり、私達にソファーを勧めてくれたので、蒼大さんと並んで腰掛けた。


「初めてだな、蒼大が彼女を紹介するのは。身を固める気になったのか?」

「まだ先だが考えてる。」

「そうか。一花さん、蒼大を宜しく頼むよ。」

「はい。」


そう答えるしかない状況だ。

まさか………こんな展開になるとは考えもしなかった。

お父様にお辞儀をして社長室を出た。