あの日は確か嵐の夜だった。そんなことなんて気にせず私はお兄ちゃんと翔太と3人でいつものようにテレビゲームをしていた。 お父さん遅いね、翔太が言ったときだった。電話が鳴りだした。 「もしもし?」 出たのはお兄ちゃんだった。 「分かった。」 お兄ちゃんは淡々に言い、受話器を置いた。 誰?という私の顔を確認したお兄ちゃんは、今日お父さんたち仕事で帰れない、と言った。