「綺麗だな」
同じタイプの、今度は青い花が夜空に咲いて散る。くーこと一緒に買った私の青いイヤリング。
「うん……」
一見正反対と言われるけど、私とくーこは気が合った。お揃いはその証。好きになる人まで同じ。片思いを秘密にしてた事さえ同じ。
「……迷惑かけて本当にごめん。私場所分かんないから皆の所連れてってくれる?」
「そりゃもちろん……って俺こそごめんっ」
忘れていたけど私の腕は高橋君に掴まれたままだった。気付いた彼が慌てて手を放す。その焦ってジタバタする様子がおかしくて、思わず笑ってしまった。
うん、笑える。まだ胸は痛むけれど、幸せそうな二人を見てもきっと大丈夫。
くーこはいつから柳田君の事が好きだったんだろう。今度聞いてみよう。練習試合の日の事は誰にも言ってないから、私が知らなかった柳田君の魅力ってやつが他にもあったのかもしれない。
今すぐ片思いが消せる訳じゃない。好きだった気持ちはまだしっかり残っているし、これからもきっと胸が痛くなる事があるのかもしれない。でも少しずつ癒えて、いつか柔らかく溶けて消えて行くんだろう。今、夜空で散り初めている花火みたいに。
fin.


