ひとり戦場に行く君へ





「……先生、ペン持ってますか…?」



だからこの日記は、僕が終わらせよう。



君が言いたくても言えなかった言葉、



僕が届ける。



「………みゆに、届きますように」




最後のページに言葉を書き終えて、



僕は日記に火をつけた。




「理人くん…」


「………僕には届いたので。だからみゆに……」





「………届くかな」




先生は黙って頷いた。



僕は日記が燃え尽きるまで、ずっと火を見つめていた。