ひとり戦場に行く君へ





そんな僕の肩に、先生の手が置かれた。



昔はあんなに大きく感じた手。



今はこんなに小さくなって…。



「理人、あなたとみゆちゃんがどれだけお互いを想っていたか、先生は昔から見ていたわ。」



「だからこそ、貴方が本当は気づいていることを思い出させてあげる」



僕が…本当は気づいていること……?



黙って先生を見つめ返すと、先生は微笑んだ。




「あの子は昔から、大事なものは残してあなたにあげるような子だったじゃない」



「給食のプリンとか、裏庭のかすみ草とか、自分が美味しいと思ったもの綺麗だと感じたもの、」



「あなたと共有したい、あなたにも知ってもらいたいと、全部残して貴方に持っていくような子だったわ」