「大体…おかしいのよねえ!」

神社の境内を突っ切って、真由は生駒の山頂へと、通じる道を、走っていた。

途中にある…市民の森。その中にあるアスレチックランドで、祖父が怪我をしたというのだ。

「普通…救急車で、病院に連れていかれるでしょが」

真由はなぜか…迎えに来いと言われたのだ。

何でも…化け物パニックで、救急車が出尽くしていて、そこまで行けないらしいのだ。

「まさか…自転車に乗せて、病院って…わけじゃないわよね…」

市民の森までは、上がりも急でなくて、比較的なだらかとはいえ…山は山だ。

入り口近くに来る頃には、息切れしていた。




「ターゲット…公園内に、侵入…。ゲートまで、三メートル」

市民の森と言いながら、大したものはない。

真由は、入り口近くにある公園に入り、アスレチックランドを目指す。


「三メートル…二メートル…」


真由は、そんなカウントダウンには気付かずに、歩き続けた。



「ターゲット!入りました!」

女の声に、潤一郎は頷き、

「歓迎してやれ!」





「え?」

突然、公園の真ん中に穴が開き、落とし穴のようになって…真由は落ちた。

しかし、何かにぶつかる衝撃はなく、空気の布団のようなものに包まれながら、何もない空間を滑り続けた。

あとで知るのだが、それは筒のようなものになっており……数分後、

真由は筒からほり出され、ふわふわのクッションの上に落ちた。

痛みはないが、スピードに酔った。

目が回り、気を失った真由は、直ちに…屈強な男達に抱きかかえられて、どこへ運ばれた。



次に、目を覚ました時…謎の計器が並ぶ…コクピット内に座っていた。