「愚かな…人間が、お前達に勝利はあり得ない」


ガンスロン神は、動きを止めた。



「神…」

潤一郎は、ガンスロン神がやろうとしていることが、わかった。


「お前達は…この体に、巨大な力を積んでおる」

ガンスロン神はにやりと、笑った。


「……あいつは、核を使うつもりだ」

「核?」

ガンスロンは、核爆弾を搭載していた。

「さらばだ」

ガンスロン神は、核を発射しょうとした。


しかし、核は発射しない。

「なぜだ?」

戸惑う神に、潤一郎は言った。

「ガンスロンが、核を使う時は…自爆するときだけだ」


「な、何!」

驚く神は、慌てて発射を止める。

「今よ!ガンスロンクラッシャー!」

ガンスロン神に、体当たりを食らわそうと真由がレバーを握り締めた瞬間、

真由のいるコクピットが激しく揺れた。

「え?」

コクピットは後ろの部屋を含め、四角い箱になっていた。

ガンスロンは突然、左手で自らの胸を抉ると、コクピットを抜き取り、

そっと砂浜に置いた。


「ガンスロン?」

真由は、何が起こったかわからない。


(ありがとう。お母さん。ありがとう。僕を助けてくれて…一緒に遊んでくれて、そばにいてくれて、ありがとう)


真由の頭中に、声が響いた。片言の日本語だったが……真由には、それが誰の声かわかった。


「ロン…」