ガンスロンの前に立ちはだかるガンスロンは、口を開いた。


「卑怯な手で、この神聖な戦いに割り込み……その恐るべき力で、勝利した……醜く、卑しい人間よ…」

新品の傷一つないガンスロンは、ぼろぼろのガンスロンを睨む。


「我は、神なり!」

ガンスロンの姿をした神は、この世界にいるすべてのものに話し掛ける。



「神!あいつが、この戦いを仕掛けた…張本人」

潤一郎は、飛行艇の中で、わなわなと震えていた。


「卑怯にも、勝ち残ったお前達に…最後の試練を与える」

ガンスロン神の背中にあるミサイルポッドが、開いた。

「自分自身に勝って!それが、最後の試練だ」


百発近いミサイルが、真由の乗るガンスロンに、至近距離から、発射された。



「お祖父様!」

まどかは、端末機を起動して、予備ミサイルで迎撃しょうとしたが、

間に合わない。

ミサイルは全弾……ガンスロンに命中した。

凄まじい爆発の華が咲き、ガンスロンの姿が、光で見えなくなった。

こんな状況でも、潤一郎には余裕があった。


「やつが…ガンスロンと同じ装備をしているなら…」

爆発が止んだ後、ガンスロンはまだ、先程と同じ姿を見せた。


「ミサイルでは、ガンスロンを倒せるか!ガンスロンは、もともと人間の軍隊と戦う為に、作られたのだ!こんな兵器が、効くか!」

大笑いを始めた潤一郎の肩を、まどかが突いた。 

「なんじゃ?」

気持ち良く笑っていたのに、中断され、少し不機嫌になる潤一郎に、まどかは指で、ガンスロン神を指差した。

「げえ!」

ガンスロン神のキャノン砲が、ガンスロンに向いていた。

「回避しろ!」

立ち上がった端末機のキーボードに、まどかは指を走らせた。

ガンスロンの下半身である円盤が回り、上空に飛び上がる。

ガンスロン神のキャノン砲が、火を吹き、

ガンスロンがいた辺りを吹き飛ばした。