まどかの声と、真由が引き金を引くのが、同時だった。

一瞬の光の槍が、額から、鮫に突き刺さり、貫通した。

「もう一発!」

鎖が切れた為に、軽くなったレバーを離し、真由は両手で二つの拳銃を握った。

感覚が短い為に、ほとんど両腕を合わせたような格好になる。

また引き金を引こうとする真由に、潤一郎が言った。

「終わったよ……」



鮫は即死していた。


「例え…大きくなり、体をパワーアップしたとこで…ミサイルやレザーに勝てるはずがない」

潤一郎は、ゲーム感覚で少し戦いを楽しみだしている真由に、釘を刺した。


「我々は…神に見捨てられたとはいえ…圧倒的な力を持っている。印を得た今は、五体の中でも、殺傷力は、一番だ。だからこそ、力に溺れてはいけない」



真由は、拳銃から手を離し、画面に映る鮫の死骸を見た。


確かに、倒さなければならない相手ではあったけど…。

鮫の死骸から、光の玉が飛んできて、真由の中に入った。




「次は、ヨーロッパに向っている鷹を倒す!」

潤一郎は、レーダーを確認した。

「こいつの速さは、ガンスロンでは捕らえられないだろう」


「え!」

「だから、追尾ミサイルと…ミサイルポットを追加する」


コクピット内の画面に、ガンスロンが映り、重装備となった姿を見せた。

「追加ポットは、北海道から先に向っている」


真由は、唾を飲み込んだ。

「全弾打ち込んだ後、一気に決めろ!でないと、勝てないぞ」

ガンスロンの飛ぶ速度は、戦闘機程速くない。


「戦えるの?」

真由は唾を飲み込んだ。


火力とスピードとの戦いになるはずだ。