キミに

｢お前と友達になりたい。｣

って言われた後、すぐ看護師さんに見つかって

病室へ連れ戻された。

でもそのとき、キミが

｢ウイ！明日またここで会おうぜ！｣

って暗闇でよく見えなかったけどキミが笑って言った。


病室に着くと、看護師さんにめちゃくちゃ怒られた。

｢もう。ウイちゃん？点滴引っこ抜いて。それに走ったみたいね？ダメじゃない。また点滴しますからね。｣

今度は引っこ抜くんじゃないわよ？という目で私を見てくる。

｢病室行ったらウイちゃんが居なくてびっくりしたわ。｣

私の腕に針を刺しながら喋りかけてくる看護師さん。

ちょっとよそ見しないでよとか思いながら点滴が終わるのを待っている。

｢それにしてもウイちゃん、カナトくんとしりあいなのね？｣

『カナ･･･トのこと知ってるんですか？』

キミの名前を呼ぶのが初めてでちょっと詰まってしまった。

｢知ってるもなにも有名よ？｣

『有名？』なんで？って首を傾げる私。

｢あら、知らない？あの子サッカーやっててね、結構上手いらしくてプロのサッカーチームから推薦がいっぱいきてるとか。とにかくサッカー界では有名よ。｣

知らなかった。キミがそんなに有名だなんて。

全然そんなふうに見えなかったのに。

『そうなんですか。』

なんか凄い人だなって思って遠い人みたいに感じる。