「もう別れなくていいよ」

今日からまた、ふたりで一緒に暮らせる。

「うん」

と微笑むミライ。今まで実験室も含めてたくさんの笑顔を見てきたけど、こんなに幸せそうな笑顔はなかなか無いよ。

「うれしいよ、ミライと出会えて」

「私も。あなたに出会えて、とってもうれしい…」

とミライが僕の胸に頭を寄せてきた。

(僕に会えて、うれしい…)

ミライがそう感じてくれてる。

(ミライのココロがそう感じてるんだ)

両腕でそっと、包み込むようにミライを胸に抱き締めた。じんわりと胸の中に温もりが広がってくる。

(ここにあるんだ、ミライのココロが)

あたたかな温もりの中に生まれた、新しいココロが、感じてるんだ。

「…ひとつ、聞いてもいいかな」

「なあに?」

「再起動して、初めて僕を見た時、なんて思った?」

ダンロでの所長の疑問の言葉を思い出して、聞いてみた。

「フフッ…」

と顔を上げて一瞬、照れてみせるミライ。

「あなたの笑顔が見たい」

と微笑んでみせるミライ。降り続く紙吹雪の中で、思わずそっと唇を重ねた。