ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)

「ウン、実はここを離れてる間に、スポンサーになってくれる企業を探して見つけて来たんだよ」

「スポンサー?」

そうか、もう隠さなくていいからスポンサーも堂々と集められるのか。

「そう、実験には一切口を出さない条件で、お金だけ出してくれるスポンサーをね。お陰で局長もホクホク顔さ。当分は予算の心配をする必要はないだろうからね」

「へえー」

世の中にはそんなありがた~い事をしてくれるところがあるんだな。

「どこなんですか、そのスポンサーって」

気になって聞いてみた。

「いくつかあるんだけど、一つがここさ。さっき届いたばかりのポスターなんだけどね…」

と、所長が巻いてあった大きなポスターを体の前で縦に広げた。

「あっ、これミライじゃないですか!」

洒落た雰囲気の部屋をバックに、背の高いガラステーブルの上に載った真っ白い丸いパソコンの横に、笑顔で立つミライの姿があった。

「ミライが広告のモデルになって、それに対してお金を払うって形になってるんだよ。どうだいキレイに撮れてるだろぉ?」

とポスターの上から顔を出して嬉しそうに微笑む所長。

(ミライがモデルになって…)

ロボットとしてのミライにではなく、一人の女性モデルとしてのミライにお金を出してくれたのか。

(ミライが『ミライ』として認められたんだな…)

なんだか嬉しくなってくる。

「でミライは?今どこにいるんですか?」

パッと見回したが、肝心のミライの姿がどこにも見当たらない。