ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)

 駆ける勢いのまま研究室に飛び込むと、扉を開けてすぐ目の前に所長が立っていた!

「あれっ、もう来たのかい?早かったね」

と振り向くなり声を上げる所長。何言ってるんですかっ。

「早かったねじゃないですよっ!どうしてミライの事すぐに教えてくれなかったんですか!」

飛び掛からんばかりに詰め寄ると、ニヤッと所長が微笑み返してきた。

「その方がビックリしてくれると思ってね」

って、何考えてるんですか!

「当たり前じゃないですか!ビックリしましたよホントにっ…」

と責めたところで所長はニヤけるばかりだ。まずは、舞い上がっていた気持ちを落ち着かせよう。大きく深呼吸を一つ、フ~。

「そうそう。慌てない慌てない。まずは何より良かったじゃないか。局長からミライを取り戻せてさ」

と微笑みかけてくる所長。

「ええ。ホント、今でも信じられませんよ」

思ってもみない話の展開に驚くばかりですよ。

「それにしても、どうしてあの局長の気が変わったんですか?」

理由が気になりますよ。と、所長がニッと微笑み返してきた。