三日後。呼ばれて研究所に来ると、所長が控え室でコーヒー片手に待っていた。
「やあやあ。まずはそこに掛けてくれないかな」
言われるまま空いた机の椅子に腰掛ける。
「あれから色々と考えたんだよ。すべてが一番丸く収まる、最良の妥協策をね…」
妥協策、という言葉の響きが耳につく。
「一体どうするんですか?」
問い掛けると、所長が椅子ごと向き直った。
「どこか海外の大学に、一人で赴任する事にして欲しいんだ。二年くらいね」
とじっと見つめてくる所長。
「海外の大学に?二年くらい?」
どういう事ですか?
「前に話したと思うけど、ミライは一緒にいる時間が一番長い人に好意を寄せるようになってるんだ。だからミライは、この一年で一番長く傍にいる君を好きになった」
確かにミライとずっと一緒にいたのは僕だった。
「という事は、僕が離れて代わりに本田君が傍にいれば、」
ミライは本田君を…。
「そう。ただ、君の次に長いのは広海君だから、次は彼女を好きになるだろうけど、それじゃマズイからね。だから二年間必要なんだよ。本田君との時間が君や広海君と過ごした時間を上回れば、ミライは本田君を好きになるってわけさ」
つまり好きな相手が入れ替わってしまうって事ですね。
「やあやあ。まずはそこに掛けてくれないかな」
言われるまま空いた机の椅子に腰掛ける。
「あれから色々と考えたんだよ。すべてが一番丸く収まる、最良の妥協策をね…」
妥協策、という言葉の響きが耳につく。
「一体どうするんですか?」
問い掛けると、所長が椅子ごと向き直った。
「どこか海外の大学に、一人で赴任する事にして欲しいんだ。二年くらいね」
とじっと見つめてくる所長。
「海外の大学に?二年くらい?」
どういう事ですか?
「前に話したと思うけど、ミライは一緒にいる時間が一番長い人に好意を寄せるようになってるんだ。だからミライは、この一年で一番長く傍にいる君を好きになった」
確かにミライとずっと一緒にいたのは僕だった。
「という事は、僕が離れて代わりに本田君が傍にいれば、」
ミライは本田君を…。
「そう。ただ、君の次に長いのは広海君だから、次は彼女を好きになるだろうけど、それじゃマズイからね。だから二年間必要なんだよ。本田君との時間が君や広海君と過ごした時間を上回れば、ミライは本田君を好きになるってわけさ」
つまり好きな相手が入れ替わってしまうって事ですね。

