ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)

「君との契約は三月までだ。それで打ち切る」

な、何ですってぇ局長ぉ!

「そんな、ここまで来て打ち切りなんて、そんな!」

せっかく今まで上手くやって来たのに!僕はもういらないって言うんですか局長!

「契約通り三月までだと言っとるだけだ。君に文句を言われる筋合いなどないっ」

と顔を背けて歩き出す局長。確かにそうですけど、今さらミライを手放すなんて!

「待ってください!せっかく今まで苦労してやってきたんです!ぜひ、これからも続けさせてください!お願いしますっ!」

バッと局長の前に回り込んで必死に訴えた。

「ダメだダメだ。そう易々とムダ金を使ってまで君に預ける訳にはいかん。今までの対価は払っとるんだ、文句はあるまい」

と表情も変えない局長。

(あなたはカネの事しか頭にないんですかっ!)

こみ上げて来る気持ちをギュッと拳を握り締めて抑え込んだ。と、所長がサッと間に割って入ってきた。

「局長、ぜひもう一度考え直してもらえませんか」

と意見してくれる所長。が、局長は譲らず首を振って返してきた。

「出来んな、それは」

頑として受け入れない雰囲気。さらに局長が言葉を続けて返してきた。