ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)

「早く行こう!」

ミライの手を引っ張って、逃げるように校舎に駆け込み二階の教授の部屋へと階段を上った。

「ワッ!」

二階の廊下に出た途端、教授室の前に群がる、廊下を塞ぐほどの黒山の人だかりが目に飛び込んできた。

(何だよこれっ)

一体何人いるのか見当もつかない。

(マズイマズイマズイッ)

このまま行けば揉みくちゃにされるっ。

「そうだ、実験室に行こう」

あの建物はセキュリティカードが無いと入れないんだ。

「急ごうミライ」

ミライの手を引っ張って、急いで実験室へと逃げ込んだ。



 
「…ハァ、どうなってるんだ?」

息を整えながら、机から椅子を引っ張り出して腰掛けた。

(どうしてミライの事がバレたんだ?)

しかも大学中に知れ渡るほど。

(う~ん…)

一瞬広海君の顔が浮かんだが、問い詰めるワケにもいかないし~。

「…」

と、ミライがじーっと入口の扉を見つめているのに気付いた。

「?」

と、扉をコンコンッとノックする音が。