ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)

翌日、広海君の居ない静かな実験室。

(こんな事になるなんてな…)

学園祭のあの日、ロイが運転して事故に遭ったばっかりに、クワンが意識不明になって、ロイの正体がバレて、

(挙句に、まさか広海君が)

ここから居なくなっちゃうなんてな。

(完全に嫌われちゃったかな…)

並んだ机の空っぽの椅子がなんとも虚しい。と、急に後からミライが、広海君がするように首に腕を廻して抱き付いてきた。

「広海さんがいないと、寂しい?」

声に振り向くと、僕の目を覗き込むように首を傾げて可愛らしく微笑み掛けてくれた。元気を出してと言わんばかりに。

「大丈夫だよ」

ありがとうミライ。気遣ってくれたんだね。笑みを返すと、ニッコリと笑って返してくれた。

「あ、誰か来たみたい」

とミライがパッと離れて入り口を振り向いた。やがて近づいてくるヒールの足音とノックの音の後、扉がガチャッと開いた。

「こんにちは」

現れた着飾った女性が誰か一瞬思い出せなかった。女の子二人が顔を出すまでは。

「こんにちはー」

「こにちわあー」

ニッコリ手を振るかわいい二人。

「愛ちゃん舞ちゃん!」

と二人が現れた途端、実験室にパッとにこやかな笑顔が広がった。

「おねえちゃーん!」

と二人が揃って声を上げて、ダダーッと走ってミライの足元にバッとしがみついた。

「久しぶりねー。元気にしてた?」

「うん!」

とニッコリ微笑む二人に笑顔を返すミライ。と見ていた奥さんが二人に声を掛けた。

「愛、舞、騒がないでイイ子にしてくれたら、ママとっても嬉しいなぁー」

「ハーイ」

と可愛らしい声で答える二人。と奥さんが、パッとこっちを振り返った。