ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)

「…ああ、それはウソですよ」

え?

「ウソ?」

何が?

「使用許可はちゃんと取ってありますよ、ミライの分も」

ええっ?

「いやだって、所長が取ってないって」

言い返すと、本田君が笑って返してきた。

「ハハッ、担がれたんですよ」

担がれた?

「そうです。所長に担がれたんですよ。そう言っておけば『死ぬ気で』ミライの秘密を守ってくれるだろうって」

ハイッ?

「そうなのか?」

「ええそうですよ。まさかそんな、ミライの経歴に傷が付くような事を、あの所長がするワケ無いじゃないですか」

と笑ってみせる本田君。

「そうだったのか…」

まんまと騙されたゾ。

(一人でドキドキしてたってワケか…。マッタクやってくれるよ、所長)

まあ、これで一つ肩の荷が楽になったから良かったんだけど。

「そんな訳ですから、安心してこっちに来てくれませんか」

うん、そうとわかれば。

「もちろん行くよ!」

笑顔で電話を切って、ミライと一緒に研究所へと向かった。