ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)

 大学の前期の試験が始まり、採点に追われる時期がやってきた。問題の半分は記述式なので、一枚一枚目を通して模範解答と擦り合わせていかないといけない。

「先生、私もやってみたい」

と、ミライが横から声を掛けてきた。

「え、採点を?」

聞き返すと頷いて返してきた。

(出来るのか…)

文章の読解力がどのくらいあるのか、試すには良い機会かも。

「じゃあ、コピーを取って一枚やってみてよ」

答案を一枚と模範解答を手渡した。さあてどうなるか興味津々。隣で広海君もじっと見守る中、ミライが採点し始めた。

「うんうん」

前半の穴埋め問題は正解と合わせるだけなので簡単。問題は後半だ。

「…へえ」

回答文にペンでチェックを入れながら、一問一問点数を書き込んでいくミライ。見る限り、採点内容には問題はない。

「上手いじゃないか。よく出来てるよ」

感心する出来栄え。と微笑んで顔を上げたミライに、広海君が横から声を掛けた。