ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)

(お~、ちゃんと出来てる)

リビングテーブルに並べられたそうめんと薬味とツマミ。もちろんビールも揃ってる。

「じゃ、ミライさんには悪いけど先に食べましょ。いただきま~す」

と広海君の掛け声で箸を付ける。氷が浮かんだボウルからそうめんを取って、ねぎとショウガを入れたつゆにくぐらせて口へ流し込む。麺のツルツルッとした喉ごしが心地良くて箸が進んで、あっという間にボウルは溶けかけた氷が浮かぶだけになった。

「…へ~え、いい部屋に住んでるじゃない先生」

とぐるりと部屋を見回す広海君。

(ん、)

マズイ物は無かったよな大丈夫だよな…。

「ねえ、ミライさんと同じベッドで寝てるの?」

と引き戸の奥の洋間に目を遣って眉を引き攣らせる広海君。

「まさか。僕はソファで寝てるよ」

答えてソファをパンパンと叩く。

「ソファに?窮屈じゃない?」

と広海君が目をパチクリとさせた。

「ん、まあ多少はね」

もう慣れたけど。

「だったら、ウチに泊まりに来ない?」

と広海君が上目遣いで見つめてきた!