ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)

今までペットロボットなんて持った事もないし、そもそも所長のミーちゃんが実物を見た初めてだし…。

「あっ、ミーちゃんって言うんだけどさ、今、所長の所に預けてあるんだ」

とっさにゴマかした。イザとなったら所長から借りてくればいいや。

「ふ~ん。ま、ミライさんが居ればペットロボットなんて居なくても寂しくないわよね。じゃあお邪魔しまーす」

と部屋に上がった広海君がキッチンの横の冷蔵庫の前に買い物袋を置いて、キッチンをぐるりと見回した。

「片付けはミライさんがしてるの?」

と聞きながら、勝手に冷蔵庫を開ける広海君。

「うんああ、やってくれるけど」

と、僕の返事には耳も貸さずに広海君が冷蔵庫の上下のドアをバタンバタンと開け閉めして中を見回した。なんだか僕とミライの暮らしぶりを探られてるような気分。

「鍋と器はココ?」

と、広海君が僕が答える前にキッチンの下の扉を開けて覗き込み片手鍋と耐熱ボウルを手に取った。

「これでいいわよね」

と振り向いて見上げてくる広海君。

「ああ」

二人分のそうめんを茹でて入れるには十分だ。

「じゃあ任せて♪」

と微笑んで仕度を始める広海君。どうしたんだろ、自分の部屋でもキッチンには立たなかったのに。

(ミライに刺激されて、彼女風でも吹かせるつもりかな?)

出来上がりがちょっと心配だけど、ココは黙って見守る事にしよう。