ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)

「どうする先生、先に始めとく?私作るけど」

と買い物袋を一つ持ち上げる広海君。

「いいけど、出来るのかい?」

聞き返すと、広海君がプーッと頬を膨らませた。

「そうめんぐらい出来ますぅ」

ま、確かに茹でるだけだもんナ。

「そうだねゴメンゴメン」

笑って返しながらドアを開けて、広海君を先に通して買い物袋を片手に中に入る。と、広海君が靴を脱ぎながら聞いてきた。

「先生、ペットロボット持ってるの?」

「え、どうして?」

「こんなタンク、ルミちゃんちにもあったから」

と広海君が下駄箱の上のメタノールのタンクを指差した。

(ゲッ!)

シマッタ出しっ放しだった!

「あ、ああ、よく気付いたね」

気付くなよぉ~。

「ルミちゃんもペットロボット持っててさ、リックって名付けて可愛がってる」

としゃがんで脱いだ靴を揃える広海君。

「へ、へえ、そう」

「先生のは?」

と顔を上げる広海君。

(どうしよう)