「ダブルデートとか、迷惑なんだよ」
三神君はきっぱりと言い切った。
「え、三神君嫌だったの?」
無理強いできないから、我慢するしか……
「俺が嫌なのは!麗が暴走してることだ。西野とのデートが嫌なわけじゃない」
すると、三神君は慌てて否定した。
「本当!?」
よかったー!
実は、結構楽しみにしてたんだよね。
「花ちゃんって、やっぱり可愛いよね」
野澤君はまだそんなこと言いますか!?
「おい、嵐士。手、出したら殺すからな?」
三神君は三神君で、恐ろしいことを……
「出さねーよ!可愛いと思っただけだし、俺には麗がいるし」
そのセリフ、麗ちゃんに聞かせてあげたかった……!
そして、野澤君はじゃなあ、と軽く手を振って教室を出ていった。
「私、なんだかキュンキュンしちゃった」
「……嵐士に惚れた?」
三神君の声はとても小さかった。
「それはないよ。三神く……」
「千秋。いつまで名字で呼ぶ気だよ」