問いかけ。

「…もしもし」
「はじめまして、緋の片十代目の桐ヶ谷聡です。
四代目の…西園寺遥さんで間違いないですか?」


電話の向こうからは落ち着いで話しかけてはいるものの、どこかに威厳を感じた。
たぶんそれは総長としての威厳だと、遥は思っていた。


「確かに私は西園寺遥です。
けど私には四代目をしていた記憶はありません。
父が…二代目なのは知っていますが…」
「…そうですか…。今日の放課後Sクラスで待っていてください。
迎えに行きます。…逃げないでくださいね?」

そう言って電話は切れた。
電話を持ってきた男子に携帯を返す。

「遥…」
「大丈夫だよ。美晴今日の放課後暇かな?」
「暇だけど…」


そういう美晴に遥は先ほどの会話を美晴に伝えた。