くるりと背を向けるハルちゃんに、私が言える言葉はもう浮かんでこない。

「うん。わかった」

 私が言いたい言葉は、必要とされていないみたいだから。

「ごめん、変なこと言って」

 伝え方が悪かったのかな。

「ハスミちゃん?」

 立ち止まったままの私に、前を歩いていたハルちゃんが振り返る。

 他のみんなはこういう時、どうするんだろう。

 分からない。……ハルちゃんの考えていることも。

「ハルちゃん、ごめん」

 怪訝そうな表情を横目に、私の足がずんずんと加速しながら前へ前へと進んでいく。

 何をしようとしてるのか、正直自分でもよく分からない。一つ確かなのは、高校で初めてできた友達をなくしてしまうことだろう。

 そして、これからも一人になってしまうかもしれないな。