その後の休み時間もケイは来なくてお昼休みになる。食堂に向かう人の波にハルちゃんと一緒に流されていく。

「すごい人だねぇ」

「はぐれないように手繋いでよ」

 少し身長が低めなハルちゃん。放っておけば簡単に波にのまれてしまいそうだから手を取る。

「ジェントルマンだね、ハスミちゃん」

 うふふ、とはにかむハルちゃん。やっぱり可愛いな。多分、私が男子だったらこの瞬間惚れてしまっているだろうな。

 一階に下りてきて、少し人の数が散らばったと思い手を離した。その時、私たちのすぐ横を女子の団体が通り越してきて、その一人の肩がハルちゃんとぶつかってしまっていた。

 フラついたハルちゃんの肩を支え、彼女らを見てみれば河西さんたちだった。

「イッター……!」

「うわぁ、大丈夫?」

 明らかにぶつかってきたのは彼女たちなのに被害者面して、しかも周りに聞こえる声で騒ぎ立てるから、ハルちゃんが謝るしかない。