朝、こうして早く来るときはたいてい、机に突っ伏して寝てることが多い。

 そうすると、遠慮がちに肩をトントンされて顔を上げれば、天使の微笑みが現れる。

 “おはよう、ハスミちゃん”

 ……って、いつもなら。

「はぁ…………」

 徐々にみんなが登校してくる中、空いたままのハルちゃんの席を見て、ズシズシと重い何かが背中に乗っかったように感じ、机の上に頬を押し付けた。

 ハルちゃん。

 違うんだよ。

 昨日、彼女の目に溜まった涙を思い出して、際限なくため息が溢れ出る。

 やっぱり何か連絡するべきだよね。

 現代のツールを駆使せずにはいられない状況だし、アナログ的なこだわりなんか捨ててしまおう。

 意気揚々と鞄から引っ張りだした携帯を睨みつけていたら……

「おはよう」