自分で自分を負かした優越感に浸る。

 そして私は堂々たる態度で、捕獲したプ〇キュアを彼の手に貼り付けた。

「それだけだから、じゃあ……」

 達成感と優越感に気分がいいから、いつもならダルくて仕方ない階段を見上げても足が重くなったりしない。何なら駆け上がれそうだな……と思って一段目に足を置いた時。

「俺……!」

 後ろからやけに大きな声がして振り返る。さっきの男子が同じ所で突っ立ったまま、私を見つめていた。

「俺、谷亮輔。ありがとな、ハスミ」

 私がシールを付けた手をヒラヒラ振り、颯爽とこちらに歩いてくると階段を軽々上って行ってしまう。

 ぼけっとしたまま彼の背中を見送っていたけれど……

「何で、私の名前……?」

 首をどれだけ捻っても答えは出てきそうにない。

 谷亮輔。

 プ〇キュア兄ちゃん……。